大海原は昼の陽に燃え立つように輝いていた。
 べたつく潮風があなたの髪をなぶり、太陽が皮膚を焦がしている。

 眩むほどに暑かったが、あなたは海を見つめ、甲板を離れようとはしなかった。
 これからゲームがはじまる。

 船はゲーム会場である大西洋の孤島に向かっている。ヴィラの設立記念の祭典。犬を賭けた宝さがしゲーム。
 海賊に扮し、望遠鏡やコンパスを手に、宝箱を探して歩く。

 何もなければ楽しいゲームだっただろう。欧米の参加者たちは子どもに返ってよろこんでいる。ゲームにエントリーはしないが、エキストラとしてこの祭りに参加する会員たちも大勢いた。
 
 だが、あなたはぬかりなくゲームをすすめなければならない。
 このゲームを落とせば、二度とフィルに触れることができなくなってしまうのだ。

「ご主人様」

 ロビンが甲板を走ってきた。
 あなたは少し目をなごませた。

 ロビンは袖の広いシャツを飾り帯で締め、半ズボンを穿いている。頭はバンダナで包み、片目にアイパッチまでしていた。

 かわいい海賊姿をほめようとすると、ロビンは息せき切って言った。

「聞きましたか。ほかの4チームともフィルを指名するつもりです。このゲーム、みんなフィルを狙ってるんです!!」

 どういうことだろう。
 これはパテルとあなただけの勝負ではなかったのか。

 賞品は100億セスか欲しい犬一匹。
 むろん、あなたがフィルを指名できる以上、ほかのプレイヤーがフィルを指名することも可能だが……。



 ご主人様、ほかのプレイヤーの様子を見てきますか。

 ⇒プレイヤーAを見に行く
 ⇒プレイヤーBを見に行く
 ⇒プレイヤーCを見に行く
 ⇒プレイヤーDを見に行く
 ⇒ほかのプレイヤーなんか関係ない。レクリエーションホールでゲームの説明を聞く




Copyright(C) FUMI SUZUKA All Rights Reserved